車両側とリアゲートの間の部分の配線が断線したとのことで入庫しました。
車両はホンダNBOX(JF2)です。

見事に断線していましたが、幸い修理する配線の長さと作業スペースが
確保されていたので、修理は可能のようです。
単にハンダで接続すればよいように思われましたが、やはり一筋縄にはいかないようです。
というのは、配線が4本のはずが、片側では3本でカプラーを境に配線の色も違うのです。
(画像は配線解読後にハンダする前の確認試験の様子)

断線した配線内にある接続部分を養生するスペーサーが入っていました。
この部分での配線の色と太さをよく調べて接続の配線を決めていきます。
この場合、もし配線を間違えて接続してしまうと一発でカメラが壊れる可能性がおるので、
本来ならメーカーから配線図がほしいところですが、だいたいにおいて情報はでてこないケースが多いため、腹をくくって配線の確認作業を進めていきます。

先に説明していた配線の数が合わない件ですが、ちょうど断線した部分に、同軸配線の分配があったようです。 よーく目を凝らして配線の色や形状、太さを推測して解読が無事完了。
ワニクチ配線を仮つけして作動試験を実施するもやはりカメラが写りません。
もしや、接続を間違えたか、もう壊れてしまったかと思いきや、ここが正念場とばかり、
電源側配線に電気がきているのか検電テスターで確認のところ、電圧が上がってきていません。
これだ!とばかりに電気のこない理由を探すために、カーナビ本体を取り外して、
本体裏側の配線の点検を実施。
ありました!原因が!
ヒューズが飛んでいました。
よく見ると明らかにショートした様子。
おそらく配線が断線した際にアースに接触したものと思われます。
ヒューズを替えて、再度配線の接続試験にて、バックカメラを作動させたところ
無事カメラが表示しました。
正常確認がとれれば、あとは配線をハンダしてきれいにまとめていき、無事作業完了です。
一時はどうなるかと思いきや、事なきを得ました。
断線による、ショートでヒューズの溶断という複合故障というべきケースでした。
今回のケースのように配線接続をする場合、決して行き当たりばったりで実施しているのではなく、
ある程度以上の根拠に基づいて作業を行ないます。
その根拠がとれない場合は作業不能となり、作業をお断りすることになってしまうのです。
その見極めが実際はなかなか難しいのですが。
コメントをお書きください