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カーナビの機能あれこれ(オートルート編)

実はarts氏は、カーナビの実際の機能をよくわかっていません。

カーナビ本体の取付は数え切れないほどの数を取付し、カーナビの技術的な仕組みは理解してはいるものの、実際に自動車に装着し、使ってみたことがないのです。

 

取付後、試乗をかねて自動車を走行させてはみますが、それはカーナビに正確に車速を取り込んでいるか、GPS信号から自車の位置を正確に表示しているか、なにか他に不具合な点はないか等の確認作業をおこなうだけで、カーナビの具体的な機能(オートルート等)までは確認しません。

 

そもそもarts氏の自動車にはカーナビなるものがついていないのですから、実際に使ったことがないのも無理はありません。

 

それが、先日初めてカーナビのオートルート機能を使う機会があったため、

本日はarts氏の実地レポートからカーナビの機能についてのお話です。

 

そもそもarts氏はカーナビを必要としません。

それは、札幌市内や近郊ならほとんどの場所や道路を把握しており、

だいたいのところは住所を聞いただけで検討がつき、どの道を通れば良いかを知っています。

曜日や時間帯での渋滞する道もだいたい知っているので、いまさらカーナビを必要としませんでした。 たまにわからない場所や住所を聞くと、タブレットのgoogle mapでこと足ります。

これがまた、正確な現在地を表示し、もちろん車速信号等の入力もなく、電話(タブレット)の信号からでこれほどの正確な位置を記すのなら、もうこれで十分なのでした。

 

そして北海道内の他の地方へ出向くなら、これも大体の位置と幹線道路や高速道路もわかっているから、やはりカーナビを必要ありません。

たとえ細かい道を知らなくても、例えば稚内に行こうとするなら、とりあえず北に向かえばいいし、釧路や根室、阿寒湖や弟子屈なら東に向かえばいいべやなどと考えているのです。

 

そんなarts氏ももちろん道に迷うことがあるのですが、そのときは今、南に向かっているはずだから、とりあえず左側へ向かえば、南西の方向の方向の幹線に出るはずと、時刻と太陽さんの方角から、現在地を感覚的に把握しているのです。

 

そんなarts氏は仕事で地方出張があり、富良野、美瑛周辺に行ってきたのですが、

大きな車両が必要だったため、200系トヨタハイエースをレンタカーで出かけました。

 

そしてカーナビが装着されていたので、ものは試しとオートルート機能を使用し、

カーナビに道案内をしてもらうことにしたのです。

(使用したカーナビはカロッツェリア、楽ナビ/AVIC-RZ300)

 

初めてカーナビのオートルート機能を使用し、

本当に大丈夫なんだべかと思っていたところ、

まもなくarts氏はびっくりしてしまいました。

 

目的地登録にて電話番号を入力し、複数のルートを比較検討してから、

登録をかけ、出発するとやがて各交差点ごとに、

 

「ポーン!この交差点を右です」

「このさき700M先、左です」

「しばらく道なりです」

 

と、カーナビがしゃべり、道を案内してくれるのです。

 

「これは楽だ!すばらしい!」

「みんなカーナビをつけたがるのがよくわかるよ!」

などと、独り言をいいながら、喜んでいます。

もう、すっかりカーナビの僕となり、カーナビの教えに疑問をもつことも忘れてしまいました。

 

さて、カーナビとすっかり仲良くなったarts氏は、慣れた手つきで次なる目的地の、新富良野プリンスホテルの電話番号を入れ、登録をしてから出発しました。

快調に道案内をし続けるカーナビ、arts氏はいままでのように忙しく道順を頭のなかで検索する必要がなくなりました。

 

「カーナビは親友だ!札幌に帰ったら、サービスカーにもカーナビを取付しよう。」

「大体いまどき、太陽さんの位置をみて方角を知るなんて、原始人や特殊部隊じゃないんだから」

「これからはもっとスマートに、時代にマッチした生活をしなければ」

などとのんきなことばかり考えています。

 

快調に道案内を続けるカーナビ、やがて日も暮れ始め、

まわりもすっかり暗くなり、雪も降ってきました。

すこし吹雪いてきたようで、かなり視界が悪くなってきたのです。

 

「なんの、なんの!」

「カーナビ様のお告げ通りにいけば、無事、目的地にいけるのだから」

 

旭岳方面から富良野へ向かう場合、農道を西に向かい、国道237号線に出て、

南に向かえば確実に富良野市街に入れます。

そして、富良野の東側は平野で、大雪山側から西方向でみると、

夜になれば北の峰スキー場がオレンジ色に輝き、おおきな目印になるのです。

 

「ところでなかなか国道(237号線)にでないなぁ」

「スキー場のふもとまでいければいいはずなんだけど」

 

どうやら、スキー場に向かっているのではなく、富良野市街と平行に走っているようです。

だんだん雪の量も多くなり、視界も悪くなり、進行方向(南)の右側に遠めにぼんやりとオレンジ色に輝くスキー場があることがわかりました。

 

「いつまでたってもあのオレンジ色のほうにいかないな」

「ポーン、まもなく左です」

「えっ!左にいったら反対の方向なんじゃないの」

「だって右側にはスキー場の明かりがあるのに」

「左です」

 

おかしいなと思いつつ、カーナビに従うarts氏。

左にはいると、道がどんどん狭くなり、真っ暗な中吹きしきる雪、

北の峰のスキー場の明かりももう、見えなくなってしまいました。

 

だんだん不安になってきたarts氏。

 

「おかしい!」

「これは変だ。道が違う」

「明らかに目的地が違う!」

 

もう、こうなってしまってはカーナビはあてに出来ません。

すぐさま、いつものようにタブレットでgoogle地図を立ち上げようとしました。

ところがなんと!、通信圏外ではありませんか!

やはりというか、まさかと言うか、このタイミングで電子地図も

あてにならなくなってしまいました。

 

「○△×♯☆!!~□~!?」

 

予期せぬ出来事に、すっかりあせってしまったarts氏、混乱してしまっています。

そんなarts氏を尻目に、まもなくカーナビが案内しようとしていた目的地に

到着してしまいそうです。

 

 「ポーン!まもなく目的地です!」

「左です!」

 

なんと!目的地はゴルフ場ではありませんか!

新富良野プリンスホテルに登録したはずなのに、なぜ?!

 

arst氏はそのまま道に入らず、まっすぐ行き、遠めにぼんやりと浮かんで見えるオレンジ色の照明を目印に、とにかく道を右に左に進んでいきます。

 

「ポーン!左です!」

「左です!左です!左です!」

目的地を通りすぎたため、カーナビも自分の案内ルートに戻そうと必死です。

 

「次の交差点を左です!」

「まもなく左です!」

「左です!」

 

「うるさい!だまってろ!」

 

「ポーン!ポーン!ポーン!」

「左です!左です!左です!」

「ポーン!ポーン!ポーン!」

 

「うるさいカーナビ野朗!」

「もうしゃべるな!」

 

「ポーン!ポーン!」

 

「カーナビなんてダメだ! みんなを道に迷わせてしまう!」

「もうカーナビの取付なんてしない!、みんなを不幸にしてしまうよ!」

 

「ポーン!ポーン!」

 

やれやれ、さっきの友は今の敵。

すっかりカーナビと仲たがいしてしまいました。

だいたいarts氏、そう簡単に仲良くなんてできないものなんですよ。

信頼しあえるまでには2~3年かかるものなのですから。

それを、ちょっと面白いからって、なにも考えずに気をゆるしてしまって。

 

やがてオレンジ色の照明に近づくにつれ、雪や風も弱くなり、

かなり見通しもよくなってきました。

 

どうやら、なんとか富良野市街まで無事たどり着いたようです。

ここまでくれば、新富良野プリンスホテルまではすぐそこです。

タブレットの通信も復活したようですし。arts氏、事なきをえましたね、よかった。

 

さて、無事目的地にたどり着いたところで、arts氏はもう一度、

カーナビのルート検索を調べてみました。

 

「確かに目的地が違っている!」

「これじゃあ、確かにゴルフ場に行ってしまうよ」

「でも、なんでゴルフ場だなんて」

 

「!」

 

あれ?どうやらarts氏、何かバツが悪そうにしていますよ。

arts氏、どうしたんですか?

 

え?、目的地設定の電話番号の下1桁が違っていたですって!

 

なんと、目的地の電話番号の入力を間違っていたそう。

それじゃあ、ねぇ、ゴルフ場に案内されてしまいますよねぇ。

カーナビは何も悪くはなかった。

 

結局、カーナビのルート案内機能はなにも問題はなかったのです。

でも、これは大事な教訓ではありませんか。

自分が間違っているかもしれないところ、信じきって機械にあてにしっぱなしにしてしまうことで、予期せぬ事態になってしまったら混乱してしまうのですから。

 

つまるところ、最後の確認は人間がしっかりしなくては、どんなすばらしい機械でも

使いこなせなくなってしまうのです。

 

まあ、こんな間違いをしてしまうのはarts氏くらいなのでしょうが、

文明の利器に頼るばかりではなく、心のどこかで、太陽さんの方角を常に把握できるような、

心の余裕はあってもいいのではないでしょうか。

 

実際のところ、カーナビのオートルート検索は、まったく知らない土地においては

有効に作用しますが、それゆえ、なんらかの間違いがあったときは

それをバックアップする、たとえば地図帳の一冊でも、

自動車の中に用意しておいたほうがよさそうです。

 

正しく目的地の入力をし、複数のルートを予め確認すれば、たとえなんらかのカーナビとの行き違いがあっても、正常に対処できるものと思われます。

 

そして万一、道を通り越してしまっても、オートリルート機能により、瞬時に再検索され、

次なる道しるべをおこなう機能もあるので、まずは安心といったところでしょうか。

 

カーナビは非常に多くの製品が各メーカーより発売されており、

価格や機能も千差万別です。機能もだいたいが同じようなところはあるでしょうし、それこそ好みの問題な部分はあるかと思います。

 

他の機能としては、USB接続によるスマホとの連動化、インターネットとの接続や、カーナビの音楽のジュークボックス化のほか、VICS( Vehicle Information and Communication System)やFM多重信号による渋滞情報を含む交通情報がもっと精密に、どの地点でも利用できるなら、おそらくそこが一番、カーナビの地図機能に最大の価値が出てきそうです。

 

現在北海道地区においては、札幌市内のほか、旭川、函館、釧路、帯広、北見での地域においてVICSとFM多重信号が稼動しているようです。

 

詳細は、

http://www.vics.or.jp/know/service/area.html

 

自動車用品といえば、カーナビというほど普及しつつある現在、いろんな拡張性もあるので、

自分の条件にあうかどうかが、選択のポイントになるのではないでしょう