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大寒

本日20日は大寒(だいかん)、いよいよ二十四節季の最後、24番目になります。

 

去年の2月の立春からはじめて、一年をかけて、ようやく一巡りしましたね。

二十四節季を通して、当店からの視点で、一通りの節季をご案内させていただきましたが、

うまく季節感を、お伝えすることができましたでしょうかね。

 

さて、大寒は読んで字のごとく、大きな寒いです。

二十四節季では、大寒をもって、寒さのピークをあらわし、

寒さの底を意味しています。

 

今が、寒さのピークであるならば、これからはだんだんと暖かくなっていき、

そして、時候の立春につないでいくことで、季節がまわっていきます。

 

小寒から大寒、1月から2月にかけては、本当に冷え込むものです。

ここしばらくは、札幌でも大雪に見舞われ、寒さも一段と厳しく、

まさに今が一番の辛抱のしどころでもあるわけですが、

この寒さが底にあるのなら、こころにもゆとりが保てます。

 

1月も下旬にさしかかり、お日様のあかりが少しずつ長くなってきていることも実感でき、

確実に季節はめぐっているのだなぁと、感じさせてくれる時期でもあります。

 

陰陽五行でいうところ、寒さは陰になり、

地味な印象がついてきます。

寒くなれば、体をちじこませてしまい、あまり動き回ったりしたくなくなってしまいます。

どうしても、動きも少なくなってしまい、静の状態になりがちで、

それは心の中でも、同じように静になってしまいます。

 

しかし、静の状態であるからこそ、物事の本質を見極めるゆとりができ、

自身を省みることができるようになるのです。

 

それは、まるで、雪の下にある大地の下、あらゆる生き物や、植物の種が、

確実に成長していき、出番をまっているかのように、

心の変換の準備の時期でもあるのです。

 

陰から陽へ、寒さから暖かさへ、

成長し変わっていける大事な時期で、

寒いなら、動かずにじっくりと、自身や物事を眺めてみることが出来るようになれば、

新しい気づきに、気がつかされるはずです。

 

それは、ひらめきであり、そこから感性を磨くことで、

いままで見えなかったものが、見えるようになり、

感じなかったことが、感じられるようになり、

出来なかったことが、出来るようになる、

そんな気づきを感じられる季節が大寒なのかと思います。

 

自然や季節はいつも、うつろいでいき、まわりまわっていきます。

その営みの中で、自分だけの世界観をもつことができるなら、

こんな素敵なことはありません。

 

当店における、二十四節季は、泥臭くも新しい発見をし、

心にゆとりをもてるよう、自然とともに暮らし、やがては大自然の中の一部となれるよう、

季節感をもって、外を眺めているかのよう。

 

そんな二十四節季には、初候、次候、末候というものがあり、

例えば大寒なら、約15日間(半月)あり、その中を5日間ごとに3つにわけて、

さらに細かく、季節のうつろいを知らせてくれるものが七十二候(しちじゅうにこう)です。

 

1年を24に分けたものが、二十四節季であれば、

1年を72に分けたものが、七十二候で、

季節のうつろぎが5日ごとにかわり、

その展開の流れの速さを眺めていると、

息つくひまさえないほどです。

 

来月は2月、立春がやってきます。

次回からは、新たに、

二十四節季とともに、七十二候を、

当店の視点でみたもの、感じたものを、

ご紹介していこうかとおもいます。

 

同じ1年365日の月日は変わらないのですが、

今度は、七十二候の感性で、外を眺めてみれば、

その季節のうつろぎのスピードの速さに驚かれ、

毎回、新しい発見と、きっと充実した毎日を実感されるかとおもいます。

 

当店でも、よけいに忙しくなってしまうのでしょうが、

ぜひ、新たな視点で、皆様と一緒に、外を眺めてみたいとおもいます。