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立春~東風凍を解く

本日2月4日は立春、ついに春がやってきました。

 

そして、いままで当店における、二十四節季をご案内してまいりましたが、

ようやく一回りを終え、今回より新しいテーマとして、

二十四節季と七十二候をあわせて、これから一年間かけて、ご案内をしていこうかと思います。

 

当店ではすでにおなじみの二十四節季は、もう、皆様はご存知かと思いますが、

七十二候はご存知でしたでしょうか。

 

七十二候とは、二十四節季のひとつの候が約15日間であり、1ヶ月では2候なのですが、

その期間を、もう少し細かく季節感をあらわし、1候を3つに分けて、

それぞれ約5日ごとに、初候、次候、末候とします。

それゆえ、1ヶ月の間に6つもの季節を細かく知らせるもので、

約5日間ごとに季節がめぐっていく様を表していていき、

とても展開がはやく、あっというまにでも、季節はうつろいでいくことを実感されることでしょう。

 

当店でも、七十二候をご案内していくのは、少し大変ではあるのですが、

二十四節季とはまた少し違った、とても雅(みやび)に感じるものであるので、

季節とともに過ごしている、当店としては、

ぜひとも、皆様にもお伝えしたいところでもあるのです。

 

さて、先に春が来たと申しましたが、

暦の上では、春が立つことで春をあらわしています。

まだ2月にはいったばかりで、今が寒さの底だというのに、

なぜ春なのと感じられるでしょうが、

 

それは、今が一番寒いピークであり、底であるのなら、

明日以降は、少しずつ暖かくなっていくもので、暖かさの始まり、

すなわち春の始まりを意味しているからなのです。

 

二十四節季は光の季節であり、

太陽さんが与えてくれる季節感ともいえます。

私達が住む地球は、1年間365日かけて、太陽さんのまわりをめぐっていきます。

そのあいだに春夏秋冬と4つの季節を通して1年をめぐっていきますが、

季節や気温の感覚は、少しはやく感じても、光加減は確実に、次の季節をあらわしているのですから。

 

そんな、体感的にはまだまだ寒い時期ではありますが、

晴れた空を見上げてみると、真冬にはなかった、柔らかな光が感じれることだと思います。

 

そして、七十二候の初候、東風凍を解く (とうふう こおりをとく) とは、

東の風が吹き始め、凍っていた水の氷がとけていく様を表しています。

 

寒い中でも、少し暖かい日があったときに、道路をみてみますと、

雪や氷が解けて、水溜りになっているのを見かけるかと思いますが、

それは、まさに 東風凍を解く ではないでしょうか。

 

昔の人々は、その一部分でしかない、その瞬間に、季節の変化を見たのでしょうね。

なんとも鋭い感性をもっていたのだと感じます。

 

そんな、ありきたり気味な、日常の中での、一瞬の景色の変化を知る事ができれば、

毎日はとても忙しく、充実した生活を送ることができるようになり、

物事の見方や、感じ方が変わってくるから不思議です。