平成18年式 スズキジムニー(JB23W)の4WD切り替えアクチュエーターモーターの配線修理です。
接続カプラーを取り外してみると、6ピン端子の一番下側の端子が折れてカプラーに入り込んだままになっていました(緑色に噴いているところ)。
水や塩カリが入り込んで腐食してしまったと思われますが、
このままではカプラをつなぐことは出来ません。
通常の修理手順としてはこのような場合、アクチュエーターモーターとカプラーを交換することになるのですが、部品を調べてみると高額なものであることがわかりました。
お客様と相談にて、今後、長く乗るつもりだということでしたが、現状なんとかなるのなら、とりあえずなんとかしたいとのご要望を受け、なんとかすることにしました。
カプラーの様子。向かって一番右側のところが腐食し、折れた端子が入り込んだままになってしまっています。
さて、どうしたものかとしばらく思案したのち、アクチュエーター本体から、
直接端子を引き出す方法をとることにします。
アクチュエーターを車両から取り外し分解することで、中側から直接取出せればいいのですが、
事前にてアクチュエーターの構造等のデータを検討したところ、
どうも、取り外して分解しても、中側からは信号が取出せないような構造であることがわかり、
取り外す作業自体が作業点数が増える上、デフオイルの抜き取り補充等といった
付随作業が予想されるため、とりはずさずにそのまま作業することに。
配線の接続は、直付けとすることで作業方針が決まりました。
幸い、車両側カプラーだけは反対側にもカプラーがあったので、取り外すことが出来ました。
ある程度の長さを確保出来るため、配線は純正のハーネスをそのまま流用します。
カプラーを切り落とし、配線にそれぞれ端子を接続していきます。
配線の先は二つ折にすることで、圧着面積を確保するようにしていきます。
端子を圧着したあとは、さらにハンダを盛っていきます。
通常なら端子を圧着するだけでもいいのですが、今回は配線と端子の剛性を強化するために
ひと工夫していきます。
ハンダのあとは、おなじみの伸縮チューブをつけていきます。
ハーネス加工の完成の様子。
この先にある端子を、アクチュエーターの端子に直付けしていきます。
いよいよアクチュエーターの加工の開始です。
折れた端子部分を削り落とし、端子を出していきます。
ケースにある程度の厚みがあるので、端子の圧着面積を確保出来ます。
側面から見た様子。
なんとか端子を出すことが出来ました。
先に加工しておいた純正ハーネスの端子を直付けしていきます。
端子を直付けした後、エポキシ系2液ボンドで隙間を埋めていくことで
端子の固定と防水の役割をはたすことが出来ます。
いつかはアクチュエーターそのものがダメになり交換するときが来ても、
車両側ハーネスも取り外しがきくので、交換も可能になります。
作動試験にて、無事4WD切り替えができました、よかった!
アクチュエーターの交換をすることで今後も長持ちするのはもちろんですが、
部品代と交換工賃のほか、付随する作業にてデフオイル等の価格を考えると、
とてもリーズナブルに出来たと思います。
このような修理方法でも、耐久性に関してはちょっとやそっとでは簡単に壊れません。
いろいろな修理方法があると思いますが、ユーザー様のご要望を考えて出来ることはやってみるのが当店での考え方のひとつです。
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R33GTR (金曜日, 02 2月 2018 22:34)
ナイスです(^_-)