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NBOXイルミネーション取付

平成25年式ホンダNBOX(JF2)に室内灯、ドアイルミネーション、フットランプの照明関係の取付にて入庫です。 あわせてメンテナンス作業もオーダー頂きました。

 

 

事の始まりは夜間の自動車に乗り降りの際、ご家族が足を滑らせころんでしまい、危ない思いをされたというご相談を頂き、足元まわりになんらかの照明があればいいねというお話でした。

 

なるほど、夜間の乗り降りの際は冬場は路面も凍結してしまい、非常に危険です。

それならと、各ドア下側に照明で路面を照らし、室内も通常のルームランプでは暗いから、

一緒に明るくしたいとのの事と、F回り(D席、助手席足元)の間接照明と、ご要望を受け準備にかかりました。

 

イルミネーション、照明関係は当店の得意とする作業のひとつです。

 

 

今回の作業では作業日数を頂いたため、空いた時間を利用して、メンテナンス作業も一緒に行いたいとのご要望の下、ブレーキフルード交換とファンベルトの交換を実施。

 

ブレーキフルードはワコーズBF4(DOT4)、ファンベルト(オルタネーター、クーラー)の2本を

支給頂き、作業を行います。

 

 

こちらは、今回使用する照明のパーツです。

右上はフットランプ用にエーモン製LED(白)、下側はドア周りに側面発光LEDテープ(白)、

中央上側に当店お勧めの室内灯を使用することにしました。

こちらの製品等はすべて当店にて用意したものです。

 

当店でのオススメアイテムとしての室内灯は5種類のサイズを用意しており、

それぞれのサイズは、

1m、500mm、290mm、170mm、88mm。

すでに多数の自動車に設置頂き、好評頂いております。

 

今回使用するのは、170mmサイズを2本、

設置場所は後席左右スライドドア上部としました。

 

 

まず先にメンテナンス作業からはじめることにしました。

ベルト交換ですが、最近の軽自動車は道具の入るスペースがなく、大変です。

 

 

もうひとつのメンテナンス作業はブレーキフルードの交換です。

 

 

一通りのメンテナンス作業を終わらせ、本職に入ります。

(メンテナンスも本職ですが、やはりイルミネーションや配線設計等の作業は力が入ります)

 

作業を始める前に、照明系統の配線施工の構想を考えます。

今回のオーダーはドア系統の照明、フットランプ、そして室内灯ですが、

点灯条件等はお任せ頂き、一任されてしまいました。

 

そのような場合、自分が自動車のオーナーの立場で考え、どのような使い勝手がいいのかを考えるのに時間を費やし、それこそ0から考え始めるのですが、

まずは、スケッチブック上に照明の配置と配線、スイッチ等を描いてみます。

 

予算や施工方法を考慮し当店で考えた結果、今回の照明の点灯条件としては、

 

1,ドア照明はドア開閉連動式とし、

2,フットランプはACC(アクセサリー)連動にて点灯

3,室内灯もドア開閉連動のほか、スイッチにてONーOFF出来るものとしました。

 

さらに、室内灯の制御はF側にひとつ、後席左右にそれぞれスイッチを合計3個設置、

どこからのスイッチでもON-OFFが出来るようにし、昼間等照明が必要ない場合を想定して

室内灯のメインスイッチを左右それぞれON-OFFできるようにしたものです。

 

ただ照明を点灯するだけなのですが、さまざまな点灯条件を考慮すると、

その分複雑な回路になって行き、そして車両側の純正回路との兼ね合いもあるのですが、

この部分はある程度の見込みの下、実際に作業を進めて検証しながら

回路を修正しながら取り付けを行います。

 

 

ある程度の構想がまとまったため、実作業の開始です。

必要な部分の分解、取り外しから配線の取出しや引き回しを考えて作業を進めていきます。

 

 

室内灯の電源の取出しは、F側ルームランプより取出します。

それにあわせて配線を必要数、通していきます。

 

 

配線を各方面に枝分かれしますので、それぞれのポイントにハンダにて結線していきます。

この風景はもう当店おなじみですね。

 

 

どんどん配線を通していきます。

だんだん配線数が増えてきましたよ。

 

 

後席左側クオーター部の裏側にスイッチの配線を通していきます。

スイッチの設置場所はパネル裏側の隙間を考慮しながら考えますが、

今回は純正ドリンクホルダーの上側とすることにします。

 

 

後席右側クオーター部にも同じように配線を通していきます。

 

 

同時進行にて、各ドア下に設置のイルミネーション用の配線を通していきます。

ここではF助手席ドアのひんじ部分に配線を施工、

もちろん、純正の配線用ゴム(ジャバラ)に通していきます。

 

 

配線数もかなり増え、各照明の配線も同時施工しているため、少々混乱してきましたので、

メモに配線を書きながら再確認をしていきます。

途中、途中にメモにて配線を書き出して同じことを繰り返していきます。

ここらへんの作業は集中力が試されます。

 

 

気を取り直して再び配線の施工を行います。

だんだんハーネスらしくなってきました。

配線ひき作業はもう少しです。

 

 

ここらへんでLEDテープの点灯試験を実施。

かなり明るいものですので、ドア下のイルミネーションの実用性は大丈夫のようです。

 

 

点灯試験で満足したので、ちょっと休憩です。

 

 

さて、ここらへんから照明の設置です。

サイドドアのステップにテープLEDを貼り付けていきます。

ドアのレールやヒンジと干渉しないように隙間を埋めていきますが、

なんとかきれいに干渉もなく収まりました。

 

 

Fドア下の内側パネルにもLEDテープを貼っていきます。

 

 

そろそろスイッチBOXの作成に取り掛からなければなりません。

今回の室内灯の点灯条件により、F側に設置のスイッチは3個必要です。

当初はスイッチBOXは考えていなかったのですが、Fダッシュボードにスイッチを設置する手頃な場所がなく、使いかってを考えた結果、スイッチBOXに3個のスイッチを収めることに。

 

NBOXのダッシュボードは独自の形状で立体的であるため、

スイッチボックスを設置するにしても

設置場所を考えさせられます。

 

実際に運転席に座り込みどの位置がベストか、使い勝手や見た目等の機能性を考慮した結果、

パネル中央、カーナビ下側のへこんだ部分があり、設置場所としてはここが最適です。

スイッチ等の制御機器はなるべく純正風にさりげなく設置したいところですが、

今回は条件が整いません。 

しかしながらボード上に設置すると丸見えになってしまうのです。

 

どうしたものかと熟慮の結果、

 ここで逆転の発想で、見えてしまうなら見せてやろうと、

スイッチBOXはアルミダイキャストのケースを使用、

黒いダッシュパネル上にアルミの荒削りな印象をだすこととしました。

 

 

スイッチBOXの加工、作成の様子。

スイッチ本体をBOXに取付け、配線を通していきます。

 

 

スイッチBOXの完成です。

スイッチはトグルスイッチを使用、スイッチのON-OFFパネルも金型そのものなので、

アルミのBOXに思いの他、引き締まって見えます。

 

BOXの重みにも重量感があり、持ち上げた時、

かつて超合金の合体ロボを思い出しました。

お気に入りはボルテスファイブとガッタイガー、グランプリの鷹です。

(知らない人、ごめんなさい)

超合金ロボは値段がとても高く買ってもらえなかったため、

隣にすんでいた仲良しのお金持ちの子の家にいき、一緒に遊ばせてもらったものです。

 

話はそれてしまいました。

スイッチBOXはとてもシンプルに仕上がり、荒削りな印象を与えています。

これでどうか、うまくボード上に見せることができますように。

 

 

ようやく室内灯と後席用スイッチの取り付けまでたどりつきました。

完成まであともう少し。

 

 

作業台さんの力を借りて、スイッチ等の配線作業に入ります。

他の工具たちの力も借り、総出で作業に当たります。

 

 

つっかえ棒さんも大活躍です。

パネルを広げてもらい、その間に作業を進めます。

 

後席右側クオーター部にスイッチを設置し、

同時に配線をまとめていきます。

 

 

ようやく完成です!

まずは後席左側の室内灯、夜間で室内灯OFFの状態。

 

 

同、室内灯ON、点灯しました。

かなりの照度です。

 

 

室内灯本体の設置の様子。

 

 

スイッチの設置場所は後席クォーター内、純正ドリンクホルダー内上部。

スイッチに邪魔することなく、500mペットボトルも置くことが出来ます。

 

 

こちらは後席右側上部の室内灯の点灯の様子。

 

 

本体設置の様子。

 

 

同、スイッチの設置。

うまくプラズマクラスターをかわせています。

 

 

外側から車内を見た図。

室内灯OFFの状態。

 

 

同、室内灯点灯の様子。

外側からみても、かなりの明るさです。

 

 

車両後方より、全体の様子。

 

 

そして、F側スイッチBOXの設置の様子です。

ダッシュボード、センターのくぼみに納めています。

運転席より操作する場合、左手よりシフトをかわしてスイッチBOXに届く範囲で、

ちょうどいい場所かもしれません。

 

黒は精悍で引き締まった印象を与えるので、シンプルにまとめた荒削りでアルミ色を出すスイッチBOXは全体のバランスを崩すことなく存在感を出し、かつ、どこかレトロな印象が際立ちます。

 

 

室内灯スイッチBOXのトグルスイッチの制御方法は、

左側(ON-OFFパネル無)のスイッチが後席の2個のスイッチと連動し、

各3箇所からのON-OFFをします。

(操作イメージは、家の階段照明のスイッチで、上側と下側のどちらからのスイッチでも

ONーOFFができるもの)

これにより、ドア連動時の点灯とは別に(ドアが閉まっている時)点灯させることが可能となり、

かつどの席からでもON-OFFの操作が可能となりました。

 

右側と中央(ON-OFFパネル有)のスイッチが、各右側左側の室内灯のメインスイッチで、

スイッチON時、ドア連動にて点灯消灯します。

スイッチのOFFは、昼間等の室内灯の必要がない場合にします。

 

 

こちらはD席側ドアイルミネーションの点灯の様子。

ドア連動により点灯します。

明るすぎず、暗すぎず、ちょうど良い照度の仕上がりです。

 

 

こちらは後席スライドドアの点灯の様子。

同、ドア連動にて点灯します。

 

これでご家族がもう、ころんでしまうことがありませんように。

 

 

最後にD席足元のフットランプ照明の様子。

夜間の運行時、視界を邪魔することなくちょうど良い間接照明の仕上がりとなりました。

 

 

お客様に引渡しの際、とても驚き、歓心頂き、そしてとても喜んでいただきました。

今回の作業依頼は足元イルミネーションにて、乗り降りする際のご家族の安全の確保と

室内灯の設置、フットランプの設置でしたが具体的な点灯条件や制御方法、スイッチの形状や設置等の作業方針はフリーハンドだったため、なかなか大変な面がありましたが、

それがためにお客様の関心度も高かったと思います。

 

実際のところ、ある程度のご指定を頂いたほうがはるかに作業はやりやすく、気も楽なのですが、

当店での過去の作業実績と経験値のデータベースから様々な仕様をご提案できる意味も含めて

今回はお任せいただいたほうがよかったようです。

 

その分お客様も期待してしまうから、当店でも気を引き締めて作業にかからねばならず、

緊張感を強いられますが、その分お客様に喜んでいただけると当店ではなにものにも変えられない

安堵感と充実感がいただけます。

 

ところで、お客様も室内灯の明るさをみて、新たなイメージがわいてきたようです。

実際、車両中央部分はとても明るいのですが、その分前方部や後方のラゲッジスペースはやや暗く

今後どのように照明を施すか考えられるとのことです。

 

また、夏場はご家族と一緒に自動車でキャンプやバーベキューに行くそうで、

この自動車をベースにアウトドアを楽しめればいいなと思っているようで、

そのためのさらなるイルミネーションや照明、便利グッズなどの宿題を出されてしまいました。

今後はお客様と自動車の、当店より様々なアイテムと技術を駆使して、

グレードアップをはかることになりそうです。

 

さて、作業も終わり、またもやこんなになってしまいました。

作業も大変でしたが、こちらの後片付けも大変です。