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スペーシア カーナビ取付

平成25年式スズキスペーシア(MK32S)にカーナビゲーションの取付にて入庫です。

 

最近の自動車へのカーナビの取付には、さまざまなケースが考えられます。

純正システムのうち、メインユニット(ここではカーナビ本体)を交換するにあたり、

すべてのシステムを入替える(純正システムと切り離す)場合や、

メインだけ交換し、付属する純正品は継続して使用する場合があります。

 

ここでいう、純正システムとは例えば、バックカメラやフロントカメラ、リアモニター、

アンプ、ステアリングリモコン、ETC等の純正用品であり、

そのまま入替えることなく、継続して使用したい、あるいはそのほうがいい場合等いろいろ考えられます。

 

もちろん適合の有無や必要な部品の有無、可能な場合はかかる部品代と工賃を

すべての入替えの場合と比較して(主にコスト面から)、どちらがいいのか、

どのようにすれば一番いい方法なのか、検討すべきことはたくさんあります。

 

ユーザーの考えていることをベースにそれぞれの適合や、部品の洗い出しから

かかる費用等、出来ること、出来ないこと、そして場合によっては加工や配線の改造等で対応できるか、

お見積もりを兼ねて、諸事情を煮詰めていくことから初めていかなければなりません。

 

今回のケースでは、それほど複雑ではないにしろ、

メインユニットのカーナビは純正ナビから社外へ変更、

純正ステアリングリモコンと、純正バックカメラが装着されており、それらを継続、連動させる条件でした。

 

 

メインユニットのカーナビは、ケンウッド社製品、MDV-434DTの中古品をお持込いただきました。

 

 

それに対応して、純正フイルムアンテナ、オーデイオ変換カプラーを当店にて用意。

 

 

以前より構成部品等の打ち合わせにて当店で指定した部品は、お客様にてご用意いただきました。

画面左側は、純正のステアリングリモコン変換ハーネス、

中央の四角いユニットとその下の部品は、バックカメラ変換ユニットハーネス。

 

 

そして、純正パネルです。

これ、以外と見落としがちなのですが、純正メインユニットから社外へ変更する際、

外観の形状が変わるため、パネルも交換する必要があるのです。

 

ところで、お客様との打ち合わせのなかで、このパネルのことをすっかりわすれており、

当店より提示した部品ではなかったのですが、お客様にて準備いただいたものなのです。

 

お客様にていろいろとお調べ頂いたことで、ことなきえを得ることが出来ました。

ありがとうございました。

 

それにしてもうっかりものは相変わらずです。

 

 

では、気を取り直して作業の開始です。

まずは、内装パネルの養生から始めます。

 

 

純正ナビを取り外したところ、裏側の配線周りには、エレクトロタップだらけです。

これはいけませんので、あわせてすべて直付けしていきます。

 

もちろん、エレクトロタップがダメということはありませんし、

使用方法を間違えず、対象物に合わせて使用するなら、

こんな便利なものはありませんが、

一番用心しなくてはいけないことは、先にエレクトロタップが装着されている状態で、

後からてを加える場合(ここでは当店にてカーナビの取付を実施)に、

作業中、少なからずとも配線を引っ張ったり、押し込めたりする場合があり、

その際に接触不良や知らずに配線が抜けることが多々あり、

そうなると、なにがなんだかわからなくなり、それだけで余計なリスクや手間が増え、

場合によっては問題点を解決するのに、相等の時間がかかってしまい、

大幅に作業工程や納車の段取りがずれこんでしまうのです。

 

結局のところ、現状ではなんともなくいても、

配線の接続部分が弱まる可能性が強く、

あとあとに響くリスクはそのまま残ってしまい、

いざ点検するにしても、この部分は大丈夫だといえることを残しておけば、

いざ問題がおきても最小で点検がすむことで、余計なリスクをへらしていく作業とかんがえれば、

当店としてはかならずやって置くべき作業であり、ひいてはお客様の利益になるはずなのです。

 

 

中古品は新品と違って、いろいろと下準備が必要です。

ここでは、製品の清掃を兼ねて、配線の処理と両面テープの貼り付け作業等を行ないます。

 

 

ところで、ケンウッドの純正フイルムアンテナには、

エレメント接続部の電極ケースが付属で付いてきました。

 

ここにはウインドウに貼り付けるため、中古品の場合は両面テープを加工して張り付けるのですが、

その必要はなく、きれいに貼り付けができました。

(左側が付属の新品、右側が先についていた部品)

 

 

フイルムアンテナを貼り付けて、配線をピラー裏側の純正ハーネスにはわせていきます。

 

 

先のエレクトロタップの処理を行ないます。

 

 

可能な限り、すべてハンダにて結線していきます。

電気は目に見えない分、確実に接触抵抗を減らしていきます。

 

 

それにしても、狭い場所での、エレクトロタップの取り出しはなかなか大変です。

 

 

同時進行にて、車速信号等の信号線を取り出すために、専用のハーネスを作成していきます。

 

 

車両側のハーネスに、ハンダにて結線していきます。

狭い場所なので、気をつけて作業しなくてはいけません。

 

 

配線の修正を終えて、新規での配線作業を進めていきます。

 

 

作業中の風景。

ちょっと一息です。

 

 

さて、このパネル何が違うかというと、コーナー部分のR(角度)が違います。

ぼやぼやしていたら、見分けが付きません。

(右側が純正、左側が社外用のパネル)

 

 

仮付けの様子。

だいぶ形になってきました、

あともう少しです。

 

 

仮の結線にて、作動試験を実施します。

一通り作動しています。

よかった!

 

 

作動試験は無事終えたので、あとは安心して仕上げ作業ができます。

細かい設定作業を終えて、最終確認します。

 

地デジTVの設定と試験の様子。

ちょうど楽天とオリックスの試合中継をしていました。

まだ日ハムは試合が始まっていなかったのでしょうか。

 

 

美装を兼ねて、納車準備とお客様へ戻す部品の梱包をして、無事作業の完了です。