平成9年式三菱デリカのキャンピングカーのリアエアコンデショナー交換にて入庫です。
以前FFヒーターの取付にて入庫頂いた車両で、FFヒーターとは別に、
リアエアコンデショナーが装着されているものです。
エアコンデショナーってなんですかといいますと、
エアコン(冷風)とヒーター(温風)の両方の風がでてくるもので、
エアミックスされた空気が吹き出されるものです。
仕組みは、車両側から温水(LLC)と、エアコン配管がつながっていているもので、
エアコンデショナーという言い方をしましたが、リアヒーターエアコンということですね。
そして、このヒーターが作動しないということで、本体まるごと交換する運びとなったものです。

リア用エアコンデショナー本体は輸入製品です。

さっそく作業の開始です。
とはいったものの、さてどうやって取り外しをしたらいいのでしょうか、
内装のパネルを一通り、取り外していかなければならないようです。

かなり大事(おおごと)です。
シートや側面のパネルを取り外して、ようやくヒーターASSYまでたどりつきました。

温水ホースの温水を止めて、本体よりホースを抜いていきます。
かなり年数がたっているよで、ホースも固着していて、なかなか抜けてきません。

途中、端折ってしまいましたが、エアコンのガスも抜いてから、
ヒーター本体がようやく取り出せました。

さて、ここで問題がありました。
新しいヒーターと、温水配管とエアコンガスのパイプの位置が、まるで違うのです。
古いほうは、温水配管とエアコンパイプが同じ位置に対して、
新しいほうはそれぞれ左右に分かれているののです。
これは一工夫が必要なようですね。

新しいヒーターの片側、エアコン用接続口があります。

同、反対側の温水配管の接続口。

どう工夫するかというと、
車両側エアコンホースや温水ホースのどちらかを
引き伸ばすほかありませんので、まずは車両下側にもぐりこみ、
ホース等の具合を見てみます。
結果、温水ホースは引き込むことは出来ませんが、室内側に設置されている温水バルブからヒーターピースを通して、延長ができそうです。
そして、エアコンホースも接続口の位置が微妙にかわるため、
中に引き込まなければなりませんが、幸い引き込むための長さが確保されているようです。
(写真はエアコンホース、それぞれ低圧と高圧の2本)

同時進行で、電源系統も新設していきます。
古い配線を撤去していきます。

さらに同時進行にて、ヒーター本体の配線周りをまとめていきます。
余分なスイッチやセンサー等が装着されていたのですが、
シンプルな構造にするオーダーのため、要所に配線を作り変えて生きます。

ヒーター本体の設置スペースです。
赤いバルブがヒーターバルブ、写真中央のホースがエアコンホース。
エアコンホース側は、ヒーターの接続口の形状にR(角度)がついているため、
別に穴をあけて、ホースと通していくよりなさそうです。

ヒーターホースは、バルブから延長していけばなんとかなりそうです。
ヒーターバルブより、ヒーターピース(接続ジョイントのこと)に16パイのホースをつなげます。
同時に配線系統も、あわせてひいていきます。

配管やホース等の加工の上、なんとかヒーター本体を設置することができました。
あとは、配線まわりをひいて、電源の取り出しとスイッチを設置します。

真空引きガスチャージを実施します。

ガスチャージのあとに、LLCの補充にて、エア抜きを行ないます。

一通りの設置作業と配線ひきがおわりましたので、
ここらで作動試験を行ないます。
ブロワモーターが回り、エアコンが効いているか、温風がでるか、エアミックスされているか
それぞれチェックしていきます。

エアコンは正常に作動しました。
この車両のエアコンシステムは、電磁バルブがないので、
フロント側とリア側、同時にエアコンガスが流れて作動するようになっています。

リア側スイッチの設置の様子。
上側がベバストヒーターのマルチコントロールパネル。
下側が今回のヒーターのON/OFFあわせた風量制御スイッチです。
温水バルブを閉めれば、冷たい風が吹き出し、
バルブを開ければエアミックスされた風が吹き出す仕組みです。
実際の使用方法としては、ベバストヒーターがあるので、こちらをメインヒーターとし、
今回取付けたヒーターのブロワで、風を循環させることが出来そうです。
そして、リア側のエアコンとして作動させることになります。
この車両は、FFヒーターと合わせて、空調システムがかなりハイレベルなものとなりました。
これで快適な休日が過ごせそうですね。
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