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キャリイ パワーウインドウ取付

平成26年式 スズキキャリイ(DA16T)にパワーウインドウの取付にて入庫しました。

 

もともとは手動式ウインドウ(くるくるまわすやつ)でしたので、

電動式にするということでしたが、取付にあたって、ひとつ問題がありました。

 

それは、ドアの厚み、モーターがおさまるスペースが確保されるかどうかということです。

お客様にご協力頂き、取付前の段階でドアパネルを分解、寸法等の採寸を実施し、

ある程度の検討をつけてから取付が可能かの判断が必要だったのです。

 

 

商用車(軽トラや軽バン等)はドアパネルが非常に薄くつくられているので、注意が必要です。

 

 

今回使用した部品は、コムエンタープライズ社製品の、

汎用型(2ドア)パワーウインドウキットです。

 

左右ドアのギア内蔵モーターにハーネス、取付ステー等が付属されています。

 

 

このように、くるくるハンドルがついています。

これがなくなり、自動でウインドウが開け閉めできるという代物なのです。

 

 

運転席側ドアパネルを脱着し、内側を確認してみます。

一番大きなサービスホールにモーターが設置されますが、

すぐ後ろ側にはウインドウレギュレーターが上下に可動します。

パネルのふくらみも少なく、かなりぎりぎりのスペースです。

 

 

くるくるハンドルの軸部分にモーターギヤが入ります。

 

 

モーターと一体化したギヤ(青色の部分)に、先のギアが入ります。

 

 

モーター部分をドアにあてがって、レギュレーターとパネルの隙間を確認します。

ぎりぎりのスペースではありますが、やりくりの仕方によっては、なんとかなりそうです。

 

いや、なんとかしてみます。

お客様も大変楽しみにしています。

ここはひとつ、がんばってみましょうか。

 

 

作業途中に、ウインドウガラスを上げ下げする必要がある場合、

付属のハンドルを使います。

これはなかなか便利で、こころにくいパーツですね。

 

 

モーターASSYの仮付けにて、隙間調整をしていきます。

 

 

ステーを工夫すれば、何とかなりそうです。

さっそく、ステーを加工してみます。

 

 

ステーに角度をつけて、スペーサーで少し持ち上げるようにモーターASSYを取付ければ、

レギュレーターとの干渉も防げそうです。

 

設置を決めて、モーターASSYを設置、実際にモーターを動かして

ウインドウがスムーズに上げ下げされるか確認、

どうやら、なんとかなりそうです。

 

 

そうと決まれば、配線をドアヒンジ部分から、車両室内へ引き込んでいきます。

 

 

ドア可動部、ヒンジ部分にコルゲートチューブで養生していきます。

 

 

先に装着されていた、ドアロック用配線も一緒にひきこみなおすために、

一旦、配線を切り、再度ハンダにて接続、伸縮チューブで養生していきます。

 

 

しかしながら、軽トラはとても便利です。

ついつい、後ろの荷台を作業テーブルに。

 

軽トラがほしくなってしまいました。

 

 

一通り配線を引き込み終わったあとは、電源の取り出しです。

パワーウインドウのモーターはかなり電気を使いますので、

容量のある部分から取り出さなければいけません。

 

一番いいのは、キースイッチ部分、シリンダーにつながっているメインカプラー部分がいいようです。

純正仕様と同じく、IGがONで出力される配線から取り出しすることにします。

(画像中央、白カプラーがメインカプラー、ここにキースイッチに連動した電源がそろっています。)

 

 

電源を取り出したら、純正ハーネスにあわせていきます。

大きい電流が流れるため、コルゲートチューブでステアリング等の

可動部分に干渉しないようにしていきます。

 

 

左右のドアにモーター設置、配線も引き終えたので、

いよいよ作動試験の開始です。

 

いつも、この瞬間が運命の分かれ目、普段のおこないに、ただただ祈るだけです。

 

無事、正常に作動してくれました。

すべてのものに感謝する瞬間でもあります。

これで、山を越えましたので、安心して作業ができるのですが、

そうも安心してはいられません。

 

なにしろ、作業点数が多く、まだまだやらなければいけないことがたくさん残っているのですから。

 

 

まずはドアまわりを復元していきます。

 

 

ドアパネルにスイッチ本体を設置します。

裏側との兼ね合いと、使いかってのよさを考慮して、位置を決めます。

 

 

設置位置が決まりましたら、パネルに型紙をあてて、穴を開けていきます。

 

 

もうひとつ加工部分があります。

くるくるハンドル部の穴をふさがなければいけませんが、

付属のメクラセンよりも小さいため、メクラセンの大きさに合わせて、

穴を大きくする必要があります。

 

 

ドアパネルの加工が完了しました。

スイッチ本体も使いやすい位置に設置ができました。

 

丸い部分が、くるくるハンドルの穴うめ用のメクラセンです。

以外としっくりとしていますね。

後付感がありながら、すっきりしていませんか。

 

 

助手席側の様子。

こちらもなかなかいいように設置できました。

 

この自動車、キーレスもアフターパーツでしたし、

今回のパワーウインドウもアフターパーツですが、

だんだんグレードアップしてきましたね。

 

これがアフターパーツの醍醐ではないでしょうか。

 

 

作業完了の様子。

いつもの事ながら、作業台の上はごちゃごちゃです。

引き出しも開けっ放しで、後片付けでまたしばらくかかりそうです。