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アクセラ シーケンシャルLED取付

平成29年式 マツダアクセラ(BM5AP)にライト周りの電飾製品の取付にて入庫です。

具体的な作業内容としては、F側ディライトシーケンシャルウインカーLED、ウインカー切替式ディライト、

R側にテールシーケンシャルウインカーLEDと3点の取付です。

 

 

最近のマツダの自動車は、デザインがとても目を引きます。

そして、エンジンもマツダオリジナルともいえる、 sky activ エンジンを搭載しており、

唯一無比の自動車を生産しています。

 

この自動車も黒のボディカラーでピカピカです。

 

 

お客様よりご用意頂いた製品は、F側ディライトシーケンシャルウインカーLED(ディライト時白色発光、

ウインカー作動時、オレンジ色発光にて内側より外に向かって流れる)、

R側テールウインカーシーケンシャルLED(テール時赤色発光、ウインカー作動時オレンジ色発光にて

内側から外側へ流れる)です。

 

それぞれ、ライトケースやテールランプケースの下側に貼り付けるものですが、

シーケンシャルとはなんのことをいっているのでしょうか。

 

シーケンシャルとは、決められた作動を決められた順番に作動させる、

機械や電気を制御する言葉を意味しているのですが、

おそらくウインカーLEDが流れて発光する作動にたとえて、

そのような名称がつけられたのかなとおもうのですが。

 

そして製品を見たとき、意外とがっちりと作られているなという印象をうけました。

半透明の10mm幅のシリコンで柔軟に装着ができそうです。

 

 

こちらの製品は、アクセラ専用のウインカー連動切替式ディライトです。

純正のウインカーフォグランプパネルと同じサイズで、同位置に装着するものです。

 

 

最初に行なう作業は製品の単体作動試験です。

F側は通常時(ディライト)は白色発光、

R側は通常時(テール)は赤色発光、となります。

 

 

それぞれ、ウインカー作動時はオレンジ色に切り替わります。

無事、作動しているようです。

 

ところで、流れて発光するのに、何か制御するものがあるのかと思っていたのですが、

特に制御機器はなく、高速で順番に流れていくようですので、

断続したウインカー信号のON時間の間にLEDの内側から外側まで瞬時に流れてくれるようですが、

うまくタイミングがあってくれるのでしょうか、

これは実際装着してみないとわかりませんが。

 

 

右側ディライト点灯時、左側はウインカー作動時の発光の様子。

こちらも正常に作動していますね、

これなら安心して取付ができそうです。

 

ところで、この白色発光はとても明るく、くっきりとした発光でした。

これは、なかなか目をひきそうです。

 

 

ところで、この丸穴、フォグランプ用の穴なのでしょうが、

今回の車両にはフォグランプはついていませんので、

この丸穴をこのままにしておくのは、すこしみっともないので、

なんとかしなくてはいけませんが、どのようにしたらいいのでしょうか、

作業しながら考えてみます。

 

 

さっそく取付の開始です。

今回の作業内容は、作業点数が多く、大掛かりになりそうなので、

ピッチをあげていきますよ。

 

まずは、テールランプ本体の取り外しからです。

ボディ側を養生してから、慎重に取り外していきます。

 

 

そうとう気を使って取り外したテールランプ本体の様子。

オレンジ色の吸盤は、このようにテールランプ等を取り外す際に、使用する専用工具です。

とてもコンパクトですが、吸着が強力で、なかなか便利なものです。

 

 

LEDの装着の様子。

LED本体は、両面テープが貼っているのですが、それだけでは貼りつきが弱いので、

ガラス繊維の入ったアルミテープで補強をします。

 

一見みると、みっともないのですが、テールランプの裏側にこのように丈夫にしていかなくてはなりません。

 

 

テールランプケースに貼り付けたLEDの点灯試験です。

きれいに発光していますね。

 

ところで、このような作業をするときは、作業の要所で電源をかけて点灯させながら行ないます。

それは、LEDを曲面に貼り付け、狭い場所に装着するため、LEDに無理がかかり、

発光しなくなることもあるからで、実際に点灯させながら、LEDの限界を確認しながら

作業を行なえば、後で発光しなくなるといった不具合を回避することができるからです。

このような、細かい作業のひとつひとつが、取付技術の向上になるものと考えています。

 

 

左右のテールケースでの貼り付け作業のあとは、電源や信号線の取り出しです。

左右それぞれのカプラーから取り出ししていきます。

配線の接続は、ハンダにて結線します。

 

 

可能な限り、後付でも純正を損ねないように仕上げていきます。

 

 

車両に装着にて仮試験を行ないます。

写真はテール作動時の発光の様子、テール下側の逆R曲線にそって発光しています。

 

 

こちらは、ウインカー作動時の発光の様子。

うまくウインカー信号と同期して、きれいに内側から外側にむかって流れているのが確認できました。

 

 

R側の作業が完了したところで、先のディライトの丸穴の加工作業にはいります。

裏側より、細かいメッシュのシートを貼り付けることにしました。

 

 

メッシュシートを小さく切り、穴の形状に合わせていきます。

 

 

固定方法は、エポキシ系2液ボンドを使用することとします。

 

固定の方法はいくつかありますが、例えばプラスチック溶接の場合、

少し厚みが少ないため、今回は適切ではないようです。

プラスチック溶接はバンパー等の場合に向いていますので、

ボンドで盛り付けて固定したほうがよさそうです。

 

 

メッシュシート装着の様子。

思いのほか、かっこよくなりました。

これはイケてますね。

 

 

さて、F側の作業にはいります。

こちらは、少々大掛かりな作業になりそうです。

まずは、バンパーの取り外しからです。

 

そして、バンパー、ヘッドライトケースの取り外し後の様子です。

LEDテープを貼り付けるだけだと思っていたら、大間違いです。

ここまでの作業は結構な勇気と思い切り、無謀さが必要なのは、いうまでもありません。

 

 

ヘッドライトケースの取り外しの様子。

ここらへんは、すべてにおいて、神経をそそいでの作業です。

もし今、地震でもきて、ヘッドランプが落っこちて壊れてしまったらなどと、

恐れおののきながらの作業なのです。

無神経なくせに、神経質なのです。

 

 

ヘッドライト本体にLED装着の様子。

こちらも、点灯させながらの貼り付けを実施します。

 

 

左右ヘッドライトケースにLED装着作業がおわり、車両側に取付をしたあとは、

ハーネスの作成と信号線の取り出しです。

 

ところで、最近の車両のカプラーは、端子がとても小さくなり、

点検棒をそのまま差し込むことができないので、

少し工夫が必要です。

 

 

先の細い針金を点検棒の先に巻きつけて使用します。

 

 

単に信号線を取り出すだけなら、わりと簡単にできるのかもしれませんが、

アフターパーツを取付ける際は、瞬時で純正の状態に戻せるのが理想です。

そのため、別にスイッチを取付けたりといろいろな方法がありますが、

そんなに切替の頻度は少ないと思われるので、今回は電源や信号線を

エンジンルーム上側に一旦、集中させてから、

左右ヘッドライト下とバンパー側へいくようにします。

 

そのため、今回の取付パーツ専用のハーネスを作成することにします。

純正への切替は、エンジンルーム内にカプラをひとつ用意しておき、

そのカプラを取り外すことで、アフターパーツの機能を止めてしまうようにすることとしました。

 

 

バンパー側の作業の様子。

ディライトのリレーボックスを固定し、配線をきれいにまとめていき、

バンパー取り外し用のカプラーを装着します。

 

 

配線にカプアー装着の際に、配線の先端にギボシを圧着するのですが、

少し長めに被服をむき、中の芯線を2つに折り曲げてから圧着します。

 

 

これだけの作業でギボシとの圧着接続面が増え、芯線そのものの強度が強くなります。

電装整備や電装品の取付には、必須の知識と技術です。

細かいことですが、電気を取り扱うということは、このような作業の積み重ねによって

作業性の確実性を保てるのです。

 

 

純正機能戻し用のカプラを接続します。

取付位置は、エンジンルーム内の取り出しやすい場所を選びます。

配線は左右のウインカー信号やIG電源を引き出し、ここまでもってきてからまた、

それぞれの場所へとひいていきます。

 

そのために専用ハーネスを新設するのですが、ここら辺の作業は根気と集中力が必要で、

今回の作業の要にもなりますので、気をひきしめての作業です。

 

 

純正機能復帰カプラーの設置の様子。

エアクリーナーケース下側側面に設置します。

 

 

一通りの作業をえて、ようやく作動点検にはいります。

いつもながら緊張する瞬間です。

 

結果、無事すべての作動が確認できました。

これで安心して、復元作業にはいれますが、作業点数が多いため、

もう少しかかりそうです。

 

 

仮にひいておいた配線をきれいにまとめていきます。

 

 

出来るだけ純正ハーネスに割り込ませてひいていくことで、配線の強度をたもちながらも、

後付感がなく、とてもすっきりしています。

 

 

新設した専用ハーネスの設置の様子。

どこまでが純正で、どこが新設ハーネスかわかりますか。

 

 

F側メンバー下を中心に、左右にコルゲートチューブで渡し、車両に固定しています。

これなら、純正ハーネスとの褐色はありません。

配線をきれいに仕上げることが、配線や製品の機能を長持ちさせてくれます。

 

 

ようやくすべての作業が完了です。

ではもう一度、最終確認をおこなうこととしましょうか。

 

まずは、キーオフの状態では、もちろんなにも点灯しません。

 

 

キーオン(IGON)で、ディライトが点灯。

左右ライト下と、バンパー内左右にて発光しています。

 

 

次に左ウインカーを作動しますと、ライト下はオレンジに切り替わり中央から外側へ光が流れていきますが、流れるタイミングもぴったりとあっています。

バンパー内ディライトはオレンジ発光に切り替わります。

その際、反対側(右側)は白色発光のままです。

 

ところで、右側、左側というのは、自分が運転席からみての言い方です。

なので、この場合、ウインカー左といえば、写真から見た場合の右側になります。

ややこしいですが、慣れればなんてことありません。

 

 

こちらは、テール点灯の状態、テールケース下側の逆R曲線にそって、きれいに発光しています。

 

 

ウインカー作動時、中央から外側にきれいに流れています。

タイミングも見事にあっていてきれいに仕上げることが出来ました。

 

最後に美装作業をえて、作業の完了となります。