平成16年式 日産セレナ(TNC24)のエンジンがかからないとのことで、搬送車にて入庫です。
初期点検では、メイン電源が入り、セルモーターもまわるが、
エンジンの初爆がない様子。
この点検までで考えられることは、
点火していないか、燃料がきていないかのいずれかと推測されます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=706x10000:format=jpg/path/s0c18fae4862e0e58/image/i0168171927b4e897/version/1542709500/image.jpg)
どこから手をつけるか考えたところ、燃料系統から始めることにします。
燃料系統で一番先に点検すべきは、燃料ポンプの作動の有無です。
実際、給油口をあけて燃料ポンプの作動音を確認するも、なにも聞こえてきません。
どうやら燃料系統から始めて、正解だったようです。
燃料ポンプの作動条件としては、基本的にはキーON時に数秒間作動し、燃圧を高め、
セルモーターを回し、クランキングの最中は、ポンプも作動します。
その後、エンジンが始動すれば、そのままポンプは作動し、エンジンに燃料を供給することで、
自動車は走り続けることができます。
(画像はエンジンルーム内にある、リレーボックス)
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=706x10000:format=jpg/path/s0c18fae4862e0e58/image/i644e407f32e24c76/version/1542709480/image.jpg)
さて、作動条件に基づいて、燃料ポンプに電気がきているのか、
確認したところ、通電されています。
ここまでの点検で、すくなくとも、燃料ポンプリレーは正常に作動していると推測されます。
ならば、燃料ポンプに通電されているにもかかわらず作動しないのなら、
ポンプモーターの不具合が高くなってきます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=706x10000:format=jpg/path/s0c18fae4862e0e58/image/i73c547b78fe0a6a2/version/1542709669/image.jpg)
燃料ポンプを車両から取り外して、単体での点検を行ないます。
(画像は燃料ポンプ一体式ユニットASSYを取り外した様子)
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=706x10000:format=jpg/path/s0c18fae4862e0e58/image/i042793f5ab9c5fd8/version/1542709630/image.jpg)
おもむろにユニットASSYを分解しようとしたところ、
カプラー差込口の下側に緑色に見えるものが…
もしやと、よ~く見てみると…
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=706x10000:format=jpg/path/s0c18fae4862e0e58/image/i4abdb8a45016affa/version/1542709691/image.jpg)
あきらかに外側から内部にかけて、腐食が確認できました。
5ピンのうち、左から1つめのところに電源電圧がかかる端子なので、
ここで、通電がとめられていたようです。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=706x10000:format=jpg/path/s0c18fae4862e0e58/image/ic4005717853982fc/version/1542709650/image.jpg)
さらに、サーキットテスターにて同導試験を実施、
やはり通電されていないことが確認できました。
部品手配後、装着にてエンジンの始動が確認できました。
入庫当初は長期戦になりかと思いきや、わりと早い段階で作業が完了しました。
この手の電装整備は、実際、ふたを開けてみないと、まったく検討がつきません。
エンジンの機械的な部分から始めて、エンジンコントロールでの制御系統、
配線の状態を目視での確認等、さまざなな確認事項が求められるため、
最初の確認の段階で、ある程度の見極めが、その後の点検作業に影響を及ぼすものです。
コメントをお書きください