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ハイエース エアヒーター吸気管取り直し

平成17年式 トヨタハイエース(KDH205)のエアヒーター吸気管修理にて入庫です。

 

装着されているエアヒーターは、ベバスヒッチャー製で、

車両下回りの、吸気管部分に雪や氷が付着してしまうので、

なんとかしたいとのご相談を受け、見積もり点検実施、

なんとかなりそうだということで、ご依頼を承ることに。

 

 

当店では、ハイエースと言えば、エアヒーターというほどに、

数多くエアヒーター取付、修理を承っておりますが、

今回の製品は、同じドイツメーカーでも、ベバスヒッチャー製です。

 

ベバストヒーターと、ほぼ同じような仕組みのようですが、

やはり細かいところでは、違いがあるように感じます。

 

 

車両下側をもぐってみると、

なるほど、雪が氷になってしまい、吸気管、排気管周りにかぶさってしまっています。

まだ、少ないほうなのでしょうが、これなら、かなりの雪や氷が付着するのでしょうね。

 

排気管周りは、ヒーター起動時は、熱をもつから、

周辺の雪や氷は解けてしまうでしょうが、

吸気管は、氷のかけらに付着して、そのまま、ちぎれてしまう可能性があります。

吸気管は、剛性のある紙質でできており、やや耐久性に心配があります。

 

今回のオーダーも、お客様は、それを心配されての、ご相談でした。

 

 

まずは、付着している雪や氷の塊を、くだいて取り除き、

作業スペースを確保します。

 

 

ところで、この車両のヒーターの取付は、少し変わったつけ方をしているようで、

写真にあるように、非常にせまいスペースの中に、吸気管、排気管が通されているのです。

下から覗いてみると、そのまま、ヒーター本体に差し込まれているようで、クランプ等がありません。

 

おそらく、ヒーター本体側の管へ、接着剤等で、直接つながっているようです。

たしかに、これだけせまいスペースなら、下側から手をいれて、

クランプをつけたりすることは、不可能です。

 

本来ならば、吸気管はすべて取り外しての交換をするべきですが、

ヒーター本体を取り外すにしても、室内側のボード等が、

かなり大掛かりで取り外すのも、容易にはいきそうもなく、

作業点数や工賃等がかさむ恐れもあります。

 

幸い、まだ吸気管側は、丈夫なようなので、

下側から、新しい吸気管をつなげて延長し、取り回すよりないので、

お客様と相談しながら、施工方法を確認、実施することにします。

 

 

今回、使用する吸気管は、おなじみベバスト社製の、アルミ製吸気管です。

実際は、多少、径が違うので、取付には工夫が必要なようです。

 

 

取付前の様子。

 

うーむ、どのようにやればいいんでしょうね…

しばらく、いろいろあてがって、試行錯誤してみることに。

 

 

などと、いっているうちに、もう出来てしまいました。

写真は、完成の様子。

 

いえいえ、そんな簡単には、いきませんでしたよ。

いといろとあてがって、検討したところ、

途中で、90度角のエルボをいれて、

車両前方側へ、取り出し、そのまま車両下にはわせながら、

要所にクランプを施し、途中で、マフラー上部の遮熱板の後方へ取り回しています。

 

 

吸気管取り回し、全体の様子。

 

雪や氷の付着はさけられないので、

なるべく、車両側へ、吸気管をはりあわせて、

重みでひっぱらされないようにしています。

 

また、吸気の接合部分は、なるべく奥側へ入れ込み、

影響を最小限にしています。

これなら、耐久性もあり、なんとかなりそうです。