平成18年式 スズキスイフト(ZD11S)のオルタネータープーリーの交換にて入庫です。
以前より、オルタネーターのベルト鳴きがひどく、何度か他で点検整備をしても、
おさまらないとのご相談を頂いていたものですが、
現状での基礎点検をしないとわからないことをお伝えし、入庫頂いたものです。
不具合の発生する時期として、寒くなった時期、エンジン始動時にしばらく鳴り続け、
エンジンが温まったころに鳴きがとまるというものでした。
お客様の要望として、すでに中古品のオルタネーターを用意され、
これにプーリーを新しいものに交換、ベルトは前回交換済みなので、再使用したいとのことです。
ならば、ベルトの磨耗具合、ベルトの張り具合と、クランクプーリーを含む、
オルタネーターのベルトとかかわっている部分での点検をすることで、
なにかしら見えてくるのかなという判断でした。
スイフトは全体的にまるっこいボディをしていて、
なかなかいいデザインだと感じます。
顔のアップが似合う自動車でもあります。
ベルト鳴き等の不具合の対応としては、
正直なところ、消去法で行なうケースがおおいものです。
実際の点検上では、プーリーの減り具合を目視点検しても、
明確にこの減り具合なら、音が出る原因だねと、言い切れるものでもないのです。
ベルトの張り具合もしかりであります。
すでに、過去に2回点検し、ベルトの交換も実施しているということですので、
それ以外での原因が考えられますが、
ならば、今回の消去方法では、オルタネーターのプーリーを交換するわけです。
そして、脱着作業を通して、他の部分を目視点検していく作業となったものです。
それでは、作業の開始です、といったところですが、
エンジンルーム上から、オルタネーター周辺を覗き込むも、
明らかに抜け出てくるスペースがないではありませんか。
これは長い1日になるのかなと、観念しながらの作業開始です。
上から覗き込んだ様子。
取り外すのも大変そうですが、オルタネーターは絶対に抜けてこない構造のようです。
もちろん、下側もドライブシャフトが、陣取っているので、抜け出てこないのです。
覚悟を決め、エンジンルーム上部のエアクリーナーを取り外し、
インテークマニホールドも取り外していきます。
インテークを取り外すのには、3箇所のボルトと2箇所のナットで固定されていますが、
一番左側のボルトが、ちょうどスロットル部分に干渉してしまい、
横から薄いスパナで、チマチマとボルトをまわしていきます。
その苦労の甲斐あって、無事、インテークがはずれてきました。
インテークには、ガスケットが付いています。
画像でみるところの、黄色のもの。
ガスケットは新しいものに交換をしなけらばなりません。
そんなこともあろうかと、実は用意しておいたのです。
これで安心して元に戻すことができます。
オルタネーターの固定ボルト等も取り外していき、
いよいよオルタネーター本体の取り出しです。
インテークを取り外しても、すんなりとは出てきません。
知恵の輪を駆使して…
無事、オルタネーターを取り出しすることができました。
お客様が用意した、中古のオルタネーターに、新しいプーリーを取付します。
さて、古いほうのプーリ(左側)と比べてみます。
確かに、減ってはいるものの、これが原因とはいいきれない程度です。
ベルトの磨耗具合も目視点検してみます。
全然なんともありませんね。
オルタネーターの取り外しの前に、ベルトの張り点検を行なったところ、
やや、張りが弱い状態でした。
ここら辺が、原因なのかなとおもいながらも、作業を先に進めます。
オルタネーター脱着の様子。
これから、取付作業に入ります。
オルタネーター本体を固定、ベルトを張っていきます。
テンションプーリーでのベルト張りではないので、
オルタネーター本体に、バールで押し広げて、
オルタネーターのボルトを締めていきます。
ベルトの張り具合は、下側からの確認です。
何度も、何度も張り具合を確認し、適正と思われるところで、
すべてのボルトを固定します。
他の部分として、クランクプーリー、ウオーターポンププーリーも、
特に磨耗がひどいようにはみえませんでしたので、
今回はこれで様子を見ることにします。
ちょうど作業をしたときは、外気温も高く、ベルト鳴きの条件ではなかったので、
これで直ったとは断言ではできませんが、
ただ、ベルトの張りがややゆるかったのは確かでしたので、
ほぼ原因はそこにあるように感じます。
コメントをお書きください