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エクストレイル 燃料計作動不良

平成17年式(2005)日産エクストレイル(NT30)の燃料計が不安定とのこことで入庫です。

 

具体的な症状としては燃料が空になっても燃料計の針が下がりきらない、その時々で針がいろいろな位置を表示するとのこと。

すでに燃料ゲージ側は新品で交換済とのことで、ならばゲージの製品不良を含む配線、メーター本体の不具合が考えられますので、

改めて、すべての基礎点検をしていくことにします。

 

お客様がいうには燃料計があてにならないため、燃費を見ていきオドメーターからおよその燃料残量を把握していたそうですが、

その際おおよその燃費がわかったもののかなり燃費が悪く、市街地にて5kmほどだそう。

 

そして、たまにエンジンチェックランプが点灯するので、今回の燃料ゲージの作動不良とチェックランプ点灯および燃費がわるいことの関連があるのかどうかも踏まえて確認してほしとの要望のもと、点検を開始していきます。

 

 

まず現在の燃料の量と針の位置の関連性を見ていくことにします。

これは、直接燃料の量を目視することでおおよその量がわかります。

 

また、画像では確認できませんがエンジンチェックランプが点灯しており、

テスター診断のところリーン状態(燃料の混合比率が薄い)であると記していました。

そのままリセットにて消去してからエンジン始動するも、その後チェックランプは点灯しません。

 

このまま様子を見ながら、燃料計の点検にはいっていきまます。

 

 

燃料タンクより、燃料ゲージを取り出していきます。

 

 

この自動車の場合、燃料ゲージはリアシート下左右に2つ装着されています。

助手席側(画像では手前)がメインで燃料ポンプがあるものと、運転席側がサブでゲージのみのものとなっています。

 

まずは燃料の目視確認ではおよそ8分目なので、燃料計の針の表示している位置とは大体あっていることを確認できました。

そこから、ゲージの浮きを上下に下げてみると、燃料計の針の動きがイマイチ一致せず、上下するたびに表示の位置が変わってしまいます。

しかもゲージが2個あるので、点検がやりにくいことやりにくいことこの上ありません。

 

 

こちらの画像は反対側(運転席側)からのものです。

ゲージを取外して単体での確認をテスターをあてて抵抗値を読み取りますが、問題はないようです。

 

次に見るべきところは配線ですが、ここで注意すべきことは導通ではなく抵抗を読み取っていく必要があります。

具体的には、配線図から配線の途中の接続部分を確認してから、

メーター裏〜ゲージ(サブ〜メイン間)の接触抵抗を見ていきます。

 

ここら辺の基準値というものは存在しないため限りなく抵抗値0とし、多少の抵抗値がでてもそれはテスター等の誤差と判断して、

その数値を判断していきます。

 

結果、おおきな接触抵抗値を読み取ることができなかったため、配線間は接続部分も含めて問題なしとします。

(この時、場合によっては配線を仮にて直接引いてバイパスしての作動確認というものもあります)

 

ここまでの点検の結果から言えることはメーター本体でしかないのですが、

簡単にメーターだと断定はできません。

改めて配線図を確認し、もう一度ゲージの単体での抵抗値の測定、可能な限り配線の目視点検を再度実施します。

 

なんどもなんども同じことを確認していきながら、やはりメーター本体の不具合としか思えないが、

そう簡単にメーターが壊れるものなのかと自問自答すことしばらく、

 

ボンヤリとメーターの針を眺めていると、スゥーと上がっていくではありませんか。

 

「えっ、なんで…」

 

ゲージは燃料タンクの中に仮締にて納めています。

ガソリンの量も変動するような条件ではないのですから。

 

とりあえず、集中しすぎて幻覚をみたのだろうと一休みすることにして、いったん作業を中止します。

 

思い直して作業を再開すると、今度はメーターの針が先とは違ったところを表示しているではありませんか。

 

これはもう、原因は2つしか考えられません。

怪奇現象かメーターが本当にこわれているかのどちらかです。

 

確かに電装整備を長くしていると、本当に不思議な現象をみることがあります。

電気的な故障なのか、はたまた…。

 

これはもう、メーターでしかない!

 

さすがにメーター単体での試験方法もなく、メーターの不具合と断定しなくてはならないのですが、

消去法でメーター以外の部分である程度はっきりと判断できるようにして、

ここしか考えられないとおもうほど確認して判断をしていくのです。

 

 

お客様へ状況を説明し、中古品を取り寄せして交換することになりました。

中古品ですと今回のようにシビアな修理内容の場合、中古品で正確な表示がでるのかとい一末の不安がないわけではなく、

作業者の立場としては新品を使いたいところですが、簡単にそうもいきません。

 

交換の結果、ゲージを上下に動かくことで針が正確に動いていくことが確認できました。

 

「やはりメーターだったのか…」

 

いままでのメーター関連の点検修理では、メーター本体の不具合は非常に少なく、

それはもちろんメーターが壊れないということではないのですが、

やはり珍しいケースであることは間違いありません。

 

 

さて、作業も山を越えたところでチェックランプ点灯燃費の関連ですが、

リーン状態を表す場合、すなわち燃料が薄いことを現していますが、それなら燃費よくなることはあっても悪くなる要素は考えられません。

 

燃費が悪くなることはとりあえずおいておいて、リーンになる状況を考えてみると、

エアフローセンサー、吸気系統、インジェクション等の不具合が考えられますが、全部を確認していくとなると

それだけでかなりのボリュームになり、また点検工賃も当店でいうECUシステム点検という項目になってしまうのですが、

おそらくここはそれほど追及していっても、お客様の言う燃費の改善にはつながらないと判断、

改めて頭の中で作業をすることにします。

 

そこで一つの課題が出てきます。

 

「本当にリーンになっているのか?」と。

 

どのような原因であれ、本当に吸排気のガス系統、エアフロ〜吸気管〜インジェクション〜エキゾースト〜O2センサー〜マフラーの工程のなかで、

問題があれば、それは何らかのDTC(ダイアグコード)と関連して出てくるだろうし、目視上でも異常を確認できるはず。

 

もし、上記系統に異常がないなら、考えられることは一つ、エアフローメーターそのものが間違った数値を出力してECUへ信号を送っていたとするなら…(実際の吸い込み量は正常だとしたら)。

 

それを確認するために、テスターにてライブデータを確認、数値を読み取ってみます。

吸気管圧力、吸気量等の数値をみても、特に異常とは考えられない。

 

やはりエアフローメーターの誤った出力信号が原因か…

 

信号測定してみても基準値とさごど変わらず誤差の範囲内と思われるが、

調べてみると、このエアフローメーターでの信号出力がわずかな数値でも基準値と違えば、

エラーをひろうことがあるという。

 

そのような特性のある部品なら、交換してみる値はあるかも…

 

こちらも中古品にて対応、交換後はチェックランプは点灯せず。

 

たまに出る程度なら、この段階で改善したとは言えないまでも、

様子を見る値はあるので、お客様には説明にて完了となりました。